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OWLの思考

坂 / 雲 / 経営学 / 社会学 / 労働観 / work-nonwork balance / HR Tech

頭の良さとaccessibilityの高さ

台風。

空がどんよりとしていて、気分も少しどんより。

気分転換に先日の美しい雲の写真でも。

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(撮影者:私)

 

程よくリフレッシュしたところで、今日は頭の良さについて考えてみたい。

 

「頭の良さ」なるものは何と無く使われている言葉で、「あいつ頭いいな~」みたいなことを言ったり、言われたり(?)する。しかし、その定義は非常に曖昧であり、専門知識を豊富に持っていることなのか、でもそれだったらPCに負けそうだし、頭の回転が速いといっても、別に解を早く出すことだけが能ではない。

人の数だけ定義や条件がありそうな気がするが、ここでは「情報や知識へのaccessibilityが高い人」という考え方を提示してみたい。

"accessibility"という単語は皆様ご存知の通り、「近づきやすさ」とか「利用しやすさ」という意味である。

 

つまり、

(1)情報や知識が自分の頭の中で整理されており

(2)それらのソースへのアクセス経路が整理されていること

である。

 

そう、ポイントは「整理」である。棚卸しという言葉もフィットする。

 以前何かで読んだが「ものをたくさん持っているのが良いことではなく、必要なものが少ないことが良いことだ」。

 

整理されていることのメリットは、自分が研究やビジネスのアイデアを閃いたときに、その場で知識や経験をもとにそれをさらに深め、肉付けをしたり、批判的に検討できることである。イメージとしては職場において、デスク上が整理されていて、どこにどの資料があるかを自分が完璧に把握し、イスをくるっと回転させれば人に質問できるという状況である。これで良い考えが浮かばない方がおかしい。

逆に整理されていなければ、どれだけ知識を詰め込んでも無駄である。ただの贅肉だ。贅肉は思考の邪魔をするだけだ。しかし少しダイエットをするだけでも思考の働きが軽やかになる。アイデアも浮かんでくるというわけだ。

 

自分の興味に引き付けると、しばしば言われることだが、イノベーションはいきなり発生するのではなく既存のものを今までと異なる方法で組み合わせる「新結合」によって起きる。このためには既存のもの、すなわち今自分が持っているもの(=アクセスできるもの)をきちんと把握している必要がある。そうでないと冷蔵庫に何の食材があるのか分からずに料理を始めるような状態で、無駄に時間だけ使って結局何もできないということになりかねない。自社が持つ技術の棚卸しが重要なのはそのためだ。

 

(2)のaccessibilityも面白い。

これは"transactive memory"というものらしいが、簡単にいうと"know who knows what"である。自分がすべてを知ることはまず不可能であり(「私は何でも知ってる」とか言うキャラもいるが)、また別に知る必要もない。

それよりも「~が知りたいなー」と思ったときに、「じゃあこれは~さんに聞こう」というように質問できる人がいること、そしてさらに重要なことは、その「知りたいな~」と思った瞬間に「~さん」の存在が頭に浮かんでくることである。そうでなければせっかくの「火花」を燃え盛る炎にすることはできない。幸運の女神は前髪しかないのである。

(参考:『世界の経営学者はいま何を考えているのか』,入山章栄)

 

accessibilityを高める方法は様々だと思うが、私は日記を書いて1週間の振り返りをしたり、本を読んだら気になったところを抜き書きしてファイルしている。そしてそれを一定の周期で読み直すことで、自分の持っている知識や経験を構造化している。

なぜこのように整理し始めたのかは定かでないが、おそらく小学校時代の塾で1週間の予定表を作るように指導されたこと or カバンの中身を整理することが好きだったことが理由だと思う。

上の整理の対象は知識や情報など頭の中のものであったが、時間の整理も非常に重要である。To Doをリストアップし、自分が持っている時間を書き出せば、予算制約の下で効用を最大化できるはずである。自由時間も適度に取れるので、満足度が上がる。合理的だし、さして難しいことでもないはずだ。それを如何に習慣化できるかが問題である。いちいち「さあ頑張ろう」と思うみたいな無駄なことに使っているエネルギーなどない。資源が希少であるからこそ、その最適配分が必要なのである。

 

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