OWLの思考

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イノベーションとワクワク感

本日も梅雨らしいグレーな空模様である。

気分転換にお気に入りの空の写真を載せる。

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非常にワクワク感や感動を与える1枚である。(撮影者:私)

 

私のなりたい姿は創造性があり、人にワクワク感や感動を与えられる人である。

恐らく自身が「イノベーション」の仕組みに関心があるのもそれが理由であろう。むしろ「クリエイティビティ」と呼ぶべきかも知れないが。

 

イノベーションは経済の文脈で語られることが多いし、シュンペーターの『経済発展の理論』でも経済発展と関連した形でイノベーションが議論されている。

しかしイノベーションは必ずしも経済発展のためにあるわけではないし、そもそも経済発展を志向することは、少し立ち止まって考えるとなぜなのかよくわからない。先日、ウルグアイのムヒカ大統領のスピーチを友人から紹介されたが、そこでも行き過ぎた経済発展の追求や過剰消費に疑問が投げかけられていた。

 

私個人の意見であるが、イノベーションはこのような現状を打破する力があると考える。イノベーションは今までの考え方を打ち破り、従来とは異なるモノの見方を与えることができる。

これは経済成長をもたらすから特筆すべきなのではなく、新たな気づきを与え、日常をre-framingすることに役立つから重要なのである。そしてバイアスで歪んだメガネを矯正し、世界を「素直に」見ることを助けてくれる。

 

(ちなみにイノベーションの定義については「昨日とは違う行動によって、成果を生むこと」とする。)

 

私は

ワクワク感=共感+驚き

であると考える。

完全に異質なものは全く受け入れられないし、すべての人にすぐに共感されるものは平凡である。多くの人がなんとなく感じている問題や疑問を解決するという点で共感される部分がありつつ、その期待をいい意味で裏切るような「なんで今まで気づかなかったんだろう」みたいな驚きがある。

 

例としてP&Gがイスラエルでリリースしたアプリ「BackMeApp」を挙げる。(3か月で180万DLらしい。)

これは女性が夜道を安心して歩けるように、友人が見守ってくれる仕組みを作った。予め帰宅経路を登録してGPSでそれを追跡し、おかしな動きをしたら知らせるというものだ。

使われている技術はGPSとマッチングぐらいだし、女性一人で夜道を歩くのが危険というのも多くの人が感じている問題だろう。潜在的な悩みを解決する、シンプルな方法として非常に優れた、イノベーティブなものだ。

 

なぜこのようなシンプルな解決策を今まで多くの人や企業が思いつかなかったのだろうか。

 

いま私は『0ベース思考(原題:Think Like a Freak)』を読んでいる。

この中でもっともいうのが難しい言葉は「知らない」であると述べられている。また子どものように考えることが重要であるともされる。

子どもを少し観察すればわかることだが、周囲のあらゆることに興味を持ち、特に大人が当たり前だと思っているものを問い直すような疑問には、はっとさせられる。

こように子どもは、どんなことも楽しもうとする心の余裕や、そこから生まれる「ワクワク感」を持っている。

つまり子どものように「素直に」考えればよいのだろうが、それができれば苦労はない。どんどんイノベーティブなものが生まれているはずだ。

 

マズローが「真の問題は、何が創造性を育むのかではなく、誰もが創造的でないのはなぜかということ。創造的行為を行うのは当然のこと。」といったことを『完全なる経営』で書いていた。

どうして人は持っているはずの創造性を十分に発揮し、ワクワクして日々を過ごしていないのかという疑問がある。いろいろな苦労をして考えが固まってしまったのかもしれない。

 

そういうわけで「イノベーション=ワクワクを生むモノ・コト」がどうして発生するのか、その源泉について明らかにしたい。またそれを実行することで、自分の周囲にもっとワクワクする場面の多い日常を実現したい。

 

Learn to be Creative.