OWLの思考

坂 / 雲 / 経営学 / 社会学 / 労働観 / work-nonwork balance / HR Tech

<お知らせ>

このブログをご覧いただいている皆さまへ 日頃からよーわからんことをつらつらと臆面もなく書いている当ブログに訪問いただき、誠にありがとうございます。 最近は下記ブログでゆるゆると執筆を続けておりますので、もしよろしければ、今後ともお引き立てく…

インドネシア

ヨーロッパとアジアを結ぶルート上に位置する交通の要衝である。特に島が多く、ということは海峡があるわけで、そこが交易ルートの首根っこ (bottleneck) になる。(海上交通だとチョークポイント (choke point) というらしい) 日本へのエネルギー資源の輸…

仕事観の変遷④(マルクス)―【前編】労働の“対象化”と“疎外”

古典を紐解くことで仕事観の変遷を概観する試みも第4回目となった。かなりお堅い内容だと思うが、それなりに多くの方にお読みいただいているようで、「仕事」や「働く」ということに対する世間の関心の高さがうかがえる。先日も某所で「仕事観の変遷①(古代…

仕事観の変遷③(産業革命期)―「野生人」と「ミニマリスト」の生き方と働き方

仕事観の変遷シリーズの第3回目である。第1回は「仕事観の変遷①(古代ギリシャ)―労働を取り除く or 積極的に評価する」、第2回は「仕事観の変遷②(キリスト教社会)―仕事観の背景にある宗教」と題して、過去の仕事観をひもとくことで、現代、あるいは未来の…

日本の現代社会と他者―比較によって揺さぶられるという経験

今回は趣向を変えて、私が以前発表した卒業論文の紹介を行いたい。その動機は論文で行った現実分析が現代社会を生きる人々、特に私と同世代の若者に広く共感されるのではないか、またその分析が人々の日々の生活に役立つのではないか、と実感したからである…

仕事観の変遷②(キリスト教社会)―仕事観の背景にある宗教

様々な時代の様々な仕事に対する考え方(仕事観)を参照することで自分に合った働き方を模索しよう、という試みの第2回である。前回は「仕事観の変遷①(古代ギリシャ)―労働を取り除く or 積極的に評価する」と題して、労働に対する2つの正反対の考え方を紹…

仕事観の変遷①(古代ギリシャ)―労働を取り除く or 積極的に評価する

1. はじめに(問題意識) 様々な時代に様々な人々が「働く」、「労働」、「仕事」に関して思索を巡らせてきた。それらについての解釈が労働観・仕事観と呼ばれるものである。現代は過去のどの時代よりも働き方の選択肢が多い時代となっている。どの産業で、…

HR Tech ―概要と国内サービス比較―

はじめに 最近、メディア等(例えば人工知能で職場が変わる?)で、人工知能などのIT関連技術を活用して、人事を変えていくという試みが取り上げられている。 人事分野の研究者を目指す者としては、非常に興味のあるトピックであり、概要と国内サービスについ…

仕事雑感

はじめに 企業で働く従業員は日々の仕事に埋没・適応しているため、今の状態に慣れてしまい思考の枠組みが固定化していると感じる。それを仕事から少し離れた視点から考え直してみたい。佐伯 (2014) は学問を職業とする人には「自分は何を対象としてどのよう…

組織で働くことに対するマイナスイメージの背景

導入 先日、とある機会に宇野弘蔵の『価値論』を読んだ。宇野の文体は非常に洗練されておりゆえに読みにくいと言われるそうだが、私はそのマルクス理解は素晴らしいと感じた。以前から『資本論』には興味があったが難解なイメージがあり読めずにいたが、この…

人事の歴史

歴史 1960年代… ・人事管理(Personnel Management, PM):労働市場論や労使関係論など応用労働経済学を理論的基礎 ←「伝統的管理モデル」…テイラー(F. W. Taylor) の科学的管理法、ファヨール (J. H. Fayol) の管理論 // 現在の成果主義賃金の源流となる「差…

会社組織におけるインセンティブの重要性 ~『ゼミナール経営学入門』より~

従業員のエネルギーと企業のインセンティブ この本の第9章では組織マネジメントの全体像が明らかにされた。そこでは個々に様々な目的や思考パターンを持った主体的な存在である従業員が、協力して業務行動や学習を行うことで、企業の業績が現れるということ…

組織マネジメントの全体像 ~『ゼミナール経営学入門』より~

『ゼミナール経営学入門』の第9章をまとめた。 組織と個人、経営の働きかけ まずこの章の冒頭では「経営とは、人々の協働を促し、率い、そして協働全体の舵取りをすることなのである」と述べられている。1章でも触れられていたが、企業の究極的目標である利…

経営戦略とは何か ~『ゼミナール経営学入門』より~

前回までは「イノベーション」というテーマで主に書いてきたが、ここに来てその概念が属する「経営学」というものの基礎を固めないと砂上の楼閣になると思った。そこで今回からは経営学の基礎的なテキストをレビューしながら、現在、経営学の分野で行われて…

「イノベーションの設計者」の役割~フォーカスし、外の世界と繋がる~

前回の記事(イノベーションに伴う困難とその解決策)では、「イノベーション」という言葉がビジネスの界隈でよく聞かれるにもかかわらず、実際にはそれほど起きていないことを問題視し、その解決策について考察を行った。その結論は、イノベーションの指導者…

イノベーションに伴う困難とその解決策

今回はイノベーションに伴う困難と解決策を整理する。 「イノベーション」という言葉をよく耳にするが、それが少ししか実現されていない理由を明らかにし、その現状を変えることを目的とする。 まずこの文章のまとめとして以下の図を示す。適宜参照されたい…

イノベーションとは何か?

近年多用されている「イノベーション」という単語であるが、その定義は非常に曖昧である。文献によって技術革新と定義したり、その技術を実用化するところまでを定義したりしており、定義が異なるままにそれらをひとまとめにしてイノベーションの議論として…

今のポジションを無視する

最近よく東京に行っている。いい坂が多いので満足だ。 この写真も先日文京区で撮った。 (撮影者:私) 今日は先日思いついたアイデアを書く。それは「今いる場所(now)が将来(future)に大きく影響する」ということだ。 ふむ… 知ってるよ… 確かに当たり前のこと…

企業者は特別な類型なのか?

おはようございます。 蝉が大合唱しているが、なんとなく秋を感じる。 まあとりあえず今日の1枚。さすが夏の雲。 (撮影者:私) 今日は以前の自主ゼミでの議論で疑問に思ったことを考察したい。 まず自主ゼミではシュムペーターの『経済発展の理論』という本…

"innovative"なものの条件

夏らしく蝉が鳴いている。 朝からプールに出かける小学生を見ていて、夏だなーと思った。 いつも雲ばかりでは飽きるので、今日は一昨日港区で撮った坂を。 (撮影者:私) すごく暑い日で思考が麻痺しそうになったが、坂を歩いているとやはり爽快感や達成感が…

企業とイノベーション

雨。雨。雨。 気を取り直して雲の写真でも。(ワンパターン…) (撮影者:私) 先日の自主ゼミ(参加者2名)でシュムペーターの『経済発展の理論』を読んで、感じたことを書きたい。 まずこの本では非常にざっくりいうと、「発展=外部環境(自然状態や政策等)の変化…

頭の良さとaccessibilityの高さ

台風。 空がどんよりとしていて、気分も少しどんより。 気分転換に先日の美しい雲の写真でも。 (撮影者:私) 程よくリフレッシュしたところで、今日は頭の良さについて考えてみたい。 「頭の良さ」なるものは何と無く使われている言葉で、「あいつ頭いいな~…

イノベーションとワクワク感

本日も梅雨らしいグレーな空模様である。 気分転換にお気に入りの空の写真を載せる。 非常にワクワク感や感動を与える1枚である。(撮影者:私) 私のなりたい姿は創造性があり、人にワクワク感や感動を与えられる人である。 恐らく自身が「イノベーション」の…

なぜ坂が好きなのか?

この坂をご存知だろうか? http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/001/772/18/N000/000/005/134762401764513216154.JPG 東京都文京区にある日無坂(左)と富士見坂(右)だ。 以前東京をぶらぶらしているときに、偶然発見した。 運命的な出会いだ。 我ながら鼻が…

「イノベーション・オブ・ライフ」

初めまして、フクロウの部屋へようこそ。このブログでは私が日々考えていることを、少しお話ししたいと思います。 第1回は「イノベーション・オブ・ライフ」と題して、お送りします。まずこのタイトルに見覚えのある方はいないでしょうか? そうです。これは…